地番と住居表示
地番と住居表示について、インターネットを検索すれば情報は結構あります。
何度もこの言葉を書いてるような気がしますが、便利な世の中です。
改めてここではちょっと用語をまとめてみます。
地番
その土地一筆を識別するための番号。
例)東京都千代田区○○○51番地の1
本来はその土地を示す番号だったのですが、実質的な運用では、土地の所有者を特定するための番号になってしまっているため、分筆や合筆により分かりにくくなっています。
数字のあとは「番地」です。「の1」は枝番と言います。「の1」とは言わない地域もあります。 また、51-1 などと省略されます。昔は51番地だったものが、相続などで複数の土地に分筆されたのだと推測されます。
市町村(特別区を含む)によっては、「地番整理」を行っている場合があります。地番整理は読んでそのまま、地番を整理したということです。
そのような土地では大字などで「~丁目」と区切って、地番を1番から振り直している場合があり、そのような地番では一見すると住居表示のように見えたりします。(詳しくは後述)
住居表示
住居表示に関する法律(昭和37年5月10日法律第119号)で規定される住所で、地番に囚われない普段の生活で使用する住所。建物そのもののアドレス。
例)東京都千代田区丸の内一丁目9番1号
上記例ではよく「丸の内1-9-1」などと省略しますが、読み方は1丁目9番1号となります。
土地の上にある建物に付ける「家屋番号」と似ていますが、「家屋番号」は法律上建物を識別するための番号で、住所とは異なります。
後述しますが、住居表示によって必ず「~丁目」とするわけではない*1ので、このように省略すると、「丸の内1-9-1」は、丸の内1番9号にあるマンションの1号室とも解釈できてしまうため本当はあまりよくありません。(とは言っても1号室は普通101号室とかになるので、区別は出来ると言われれば、できるのですが)
「番」にあたる部分を「街区符号」と呼び、「号」にあたる部分を「住居番号」と法律的には呼びます。
「丸の内一丁目」までが町名なので、「丸の内1」は実は正しい表記ではありません。また、町名には「町」が入らない場合が多いようですが、町名に町を入れているケースもあり、自治体任せなようです。(中央区日本橋○○町など)
家屋番号
建物に対して一意的に区別するための法律上の番号。
ブルーマップ
住宅地図に公図を重ね合わせたもの。地番と住居表示が分かるように記載されている地図。 発行はゼンリンが行っており、国会図書館や法務局で閲覧できる他、インターネットで販売もしています。
また、以下のような商品もあります。
公図
法務局で登記されている公文書の俗称で、地番が法的に有効な地図のこと。
法的根拠は、不動産登記法(平成16年6月18日法律第123号)第14条第1項によるものであり、これを正式地図としています。 正式地図は国土調査法(昭和26年6月1日法律第180号)に基づいた「地籍調査」もしくはそれと同等以上の調査を行い、都道府県知事(国土調査においては事業所管大臣)からの認証を受けた地図のことであり、登記所(法務局)にて閲覧もしくは写しの交付が請求できます。
ただし、地籍調査は特に都市部で全く進んでおらず、登記所にある地図は明治6年に行われた地租改正をベースとした地図が多く、そのため、地図に準ずる図面として不動産登記法第14条第4項により、これも公図として認められています。
なお、インターネットで公図という言葉を検索すると「17条地図」という言葉が見つかりますが、現在は14条地図となります。これは不動産登記法が全面改正されたためで、全面改正前の不動産登記法(明治32年2月24日法律第24号)では第17条に規定されていました。
第十七条 登記所ニ地図及ビ建物所在図ヲ備フ (旧不動産登記法)
もう少し詳しく
本来、「地番」と「住居表示」は「器」と「中身」のことを話しているくらい違うものです。なので地番と住居表示は一致しないケースがほとんどです。
・・・ですが、自治体によっては住居表示を実施せずに町名地番整理を行っている場合が有り、そのような場合は地番なのか住居表示なのか分からず、ますます混乱します。
とその前に、「住居表示」について、もう少し詳しく書いておきます。
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